終活・供養

一周忌とは?いつ営むかと香典・服装・お供え、施主の準備まで解説

「一周忌の案内が届いたけれど、香典はいくら包めばいいのだろう」。身内だけの小さな法要と聞いても、服装やお供えはどこまで改まればよいのか、失礼にならないかと、不安が先に立つ方は少なくないはずです。初めて施主を務める立場なら、何から準備すればよいのかという迷いも重なります。

そこで本記事では、一周忌の時期と、参列する側の香典・服装・お供え、施主の準備とお布施を順に整理します。関係別の香典の目安や表書きの表を見ながら、その日のうちに準備を進められるはずです。

あわせて、宗派による違いや、一周忌に合わせて納骨するときの段取りも同じ流れで解説します。

一周忌の意味といつ営むか

緑の葉を背景に咲く白い百合の花
お墓に供えられた花のイメージ。一周忌の日取りや営み方は、家や地域、宗派によって異なります。写真:Serafima Lazarenko / Unsplash(イメージ)

一周忌は、亡くなってから満1年の命日に営む、最初の年忌法要です。命日当日か、それより前の休日に営むのが一般的で、次の三回忌は満2年の命日に営みます。

一周忌は亡くなって満1年の命日に営む法要

一周忌は、故人が亡くなった翌年の同じ月日、つまり祥月命日に営む法要です。デジタル大辞泉は「人が死亡して、満1年後の忌日。また、その日に行う法事」と説明しています。

全国優良石材店の会(全優石)は、一周忌は四十九日法要と同じくらいの規模で行われることが多いとしています。家族や親族、親しかった友人が集まり、読経のあとに会食をする流れが一般的です。

喪中の期間に法律の決まりはありませんが、一周忌を迎えるまでを喪中とする説明が多く見られます。一周忌は、遺族にとって気持ちの区切りの目安にもなる法要です。

命日当日か、命日より前の休日に営む

一周忌は命日当日に営むのが正式ですが、都合がつかなければ命日より前の休日に営むのが一般的です。曹洞宗の公式サイトも、祥月命日に都合がつかない場合は「祥月命日に当たる日より前に行なうのがよいでしょう」としています。

日取りは菩提寺と相談し、遅くとも1か月くらい前までに決めておくと安心です。曹洞宗は、一周忌は故人への思いも深いため、ほかの方の年忌法要と合わせて営むのは避けたほうがよいとしています。

一回忌は辞書では一周忌と同じ意味

「一回忌」は、辞書では一周忌と同じ意味です。デジタル大辞泉は、満1年目を「一回忌または一周忌」、満2年目を「三回忌」と説明しています。

ただし、亡くなった日を一回忌と数え、一回忌は亡くなった当日にあたると説明する解説もあります。どちらの考え方でも、満1年の法要は「一周忌」と呼ぶのが一般的なので、案内状にも一周忌と書けば迷いません。

一周忌の次が三回忌になるのは、亡くなった年を1年目と数えるためです。主な年忌法要の時期は次のとおりです。

年忌法要営む時期
一周忌亡くなって満1年
三回忌満2年
七回忌満6年
十三回忌満12年
十七回忌満16年
三十三回忌満32年

年忌法要をいつまで営むかの考え方は、年忌法要の解説で紹介しています。

一周忌の香典の金額と書き方

一周忌の香典は、故人が親なら1万〜5万円、友人なら3千〜1万円ほどが一般的な目安で、表書きは「御仏前」とします。身内だけの一周忌でも香典を包むのが一般的ですが、施主から辞退の連絡があれば持参しません。

香典の目安は親で1万〜5万円、友人で3千〜1万円

一周忌の香典の目安は、故人との関係によって変わります。斎場運営会社や仏具店、互助会、寺院の4つの情報源が2026年10月時点で公開している目安を編集部が整理すると、次のとおりです。

故人との関係香典の目安
両親・義理の両親1万〜5万円
兄弟姉妹1万〜5万円
祖父母5千〜3万円
おじ・おば・親戚3千〜3万円
友人・知人3千〜1万円
職場の関係者5千〜1万円

いずれも一般的な目安で、地域や親族の間の申し合わせによって変わります。法要のあとに会食がある場合は、5千〜1万円ほど上乗せするのが一般的です。

夫婦や家族で参列するときは、世帯で1つにまとめ、人数分を目安にキリのよい金額を包みます。4や9のつく金額は避ける人が多いため、迷ったら別の金額にしておくと安心です。

表書きは御仏前で、御霊前は使わない

一周忌の香典袋の表書きは「御仏前」とするのが一般的です。冠婚葬祭互助会の業界団体である全日本冠婚葬祭互助協会(全互協)は、四十九日以降は「御仏前」を使うと説明しています。

宗教・宗派表書きの例
仏式御仏前
浄土真宗御仏前・御香儀
神道玉串料・御玉串料
キリスト教御花料
宗教が分からない御供物料

浄土真宗では、亡くなった方を霊としてまつらないため、時期を問わず「御霊前」は使いません。水引は黒白か双銀の結び切りが一般的で、西日本では黄白を使う地域もあります。一周忌の香典は、通夜や葬儀と違って濃い墨で書くよう勧める解説もあるほどです。

キリスト教の追悼ミサや記念式では現金を持っていかない習慣もあり、会食がある場合に「御花料」を包むことが多いとされます。

夫婦や連名で包むときの名前の書き方

香典袋の名前は、水引の下にフルネームで書くのが基本です。夫婦で包む場合は、中央に夫のフルネームを書き、その左に妻の名前だけを添える書き方が多く見られます。

3名までの連名なら全員のフルネームを書き、立場が上の人を右にします。4人以上のときは、代表者のフルネームに「外一同」と添え、全員の名前は別紙に書いて中に入れましょう。

中袋がある場合は、表に金額を「金壱萬圓」のような旧字体の漢数字で書き、裏に住所と氏名を書きます。お札は向きをそろえて入れます。肖像画を裏にする説明と表にする説明があるため、迷ったら親族のやり方に合わせましょう。

身内だけの一周忌でも香典を包むのが一般的

家族や親族だけで営む一周忌でも、香典を包むのが一般的です。互助会のくらしの友は、家族だけの法事でも香典を包むのが一般的とし、自分の親の場合は1万〜3万円を目安に挙げています。

ただし、施主から香典を辞退すると伝えられた場合は、持参しないのが望ましいとされます。案内状に「ご厚志はご辞退申し上げます」とあれば、香典も含めて遠慮するという意味です。「供物、供花の儀はご辞退申し上げます」なら、香典は受け取るという意味になります。

施主と同居している家族が包むかどうかは、事前に施主と相談して決めておくと当日に戸惑いません。

一周忌に参列するときの服装とお供え

一周忌の服装は案内に従うのが基本で、指定がなければ施主・遺族は喪服、参列者も喪服か略喪服を選ぶと無難です。お供えを持参するなら日持ちする個包装の菓子折りなどが選ばれ、香典を包む場合はなくてもよいとされます。

服装は案内に従い、指定がなければ喪服

一周忌の服装は、まず施主からの案内に従うのが基本です。全互協は、喪家側は一周忌までは喪服を着るとしたうえで、一般の参列者は地味な外出着でもかまわないと説明しています。

ただし、身内だけの一周忌でも喪服を着るのが一般的とする解説があります。迷ったら喪服を選び、土地のしきたりは年長の親族に確かめておくと安心です。

案内に「平服で」とある場合は、普段着ではなく略喪服を指します。黒や紺、グレーなど地味な色のスーツやワンピースを選びましょう。

  • 子どもは制服、なければ白シャツに黒や紺
  • アクセサリーは結婚指輪や真珠程度に
  • 数珠を持参する

お供えは日持ちする個包装の菓子折りが選ばれる

一周忌のお供えには、常温で日持ちする菓子や果物、線香やろうそくなどが選ばれます。真宗大谷派の公式サイトは、お菓子は参列者に配られることも多いので個包装が好まれるとしています。

肉や生魚のように殺生を連想させるもの、昆布やお酒のように慶事に使うもの、高価すぎるものは避けるのが一般的です。金額は、香典に添えるなら3千〜5千円、品物だけを渡すなら5千〜1万円ほどが目安とされます。

掛け紙は黒白か黄白の結び切りの水引で、表書きは「御供」か「御仏前」とします。施主に挨拶するときに「御仏前にお供えください」と一言添えて、紙袋から出して手渡しましょう。

香典を包めばお供えはなくてもよいとされる

香典を包む場合、お供えの品物は必須ではないとされます。全互協によると、今は喪家がお供えを用意するので、代わりに現金を供えるのが一般的です。現金とともにお菓子を持参することも「特に必要はありません」としています。

一方で、故人が好きだったお菓子などを香典に添えるのは「行き届いた心づかい」とも書かれていました。身内だけの一周忌では香典とお供えの両方を持参するのが一般的とする解説もあり、地域や家によって習慣は分かれます。

迷ったら、ほかの親族がどうするかを事前に聞いておくと、当日に一人だけ違うということを避けられるでしょう。

施主が進める一周忌の準備と当日の流れ

本人の希望・家族の考え・必要な準備を整理するイラスト
法要の準備を順番に整理するイラスト。準備の内容は、法要の規模や会場によって異なります。イラスト:お墓くらべ編集部(AI生成)

施主は、命日の2〜3か月前から日程や会場、寺院への依頼を進め、お布施やお返しを用意します。お布施は3万〜5万円とする解説が多く、当日はお墓参りと会食まで含めると2〜3時間ほどかかります。

2〜3か月前から日程と寺院への依頼を進める

一周忌の準備は、命日の2〜3か月前から始めるのが一般的です。全日本仏教会と大和証券が2024年12月に全国の20〜79歳6,192人へインターネットで聞いた調査では、葬儀や法要で不安なこととして「どこまで声をかけていいか分からない」を挙げた人が55.0%いました。招く範囲は、準備を始める最初に家族で話し合って決めておきましょう。

初めて施主を務める人は、次の順に進めると迷いにくいでしょう。

  1. 菩提寺と相談して日程を決める
  2. 寺院に読経を頼む
  3. 会場と会食の手配をする
  4. 招く人に1か月前までに知らせる
  5. 引き物とお布施を用意する
  6. 前日に人数と供物を確かめる

家族だけで営む場合は、案内状の代わりに電話やメールで知らせても構いません。浄土真宗以外で卒塔婆を立てるなら、1か月前までに寺院へ伝えておきましょう。

お布施は3万〜5万円とする解説が多い

一周忌のお布施は、3万〜5万円とする解説が多く見られます。全日本仏教会の理事長談話が「お布施は、サービスの対価ではありません」と述べているとおり、決まった金額はありません。

施主が用意するもの金額の目安
お布施3万〜5万円
お車代5千〜1万円
御膳料5千〜1万円
卒塔婆1本3千〜1万円
引き物1人2千〜1万円

金額は、斎場運営会社や仏具店、葬儀社、寺院の5つの情報源が2026年10月時点で公開している目安を編集部が整理した一般的な目安です。お車代は僧侶に自宅や会場まで来てもらうとき、御膳料は僧侶が会食に参加しないときに、お布施とは別に包みます。

全日本仏教会と大和証券が2022年12月に全国の20〜79歳6,184人へインターネットで聞いた調査では、家族・親族の話を参考にお布施を決める人が28.3%でした。迷ったら親族に聞き、それでも分からなければ寺院に尋ねても失礼にはあたりません。包み方はお布施の相場とマナーで紹介しています。

お墓参りと会食まで含めて2〜3時間ほど

一周忌の当日は、施主の挨拶のあと読経と焼香、法話と進み、会食で締めくくるのが一般的です。お墓が近ければ、読経のあとに全員でお墓参りをすることもあります。

神奈川県藤沢市の公営斎場の案内では、読経と法話で60〜80分ほどです。お墓参りと会食まですべて行うと2〜3時間程度、平均で3時間ほどかかるとされています。施主の挨拶は、開始・会食の前・終わりの3回が基本です。

開始の挨拶は「本日はお忙しいところお集まりいただき、ありがとうございます。ただいまより、亡き〇〇の一周忌法要を始めます」といった短いもので十分です。会食の前には、無事に法要を終えたお礼と、故人の思い出を語り合ってほしいという言葉を添えるとよいでしょう。

引き物は「志」の掛け紙で用意する

一周忌の引き物(お返し)は、1人2千〜5千円ほどの品とする解説が多く、1万円ほどまでとする解説もあります。お菓子やタオル、洗剤、カタログギフトなど、使えばなくなる「消えもの」がよく選ばれます。

掛け紙は黒白か黄白の結び切りで、表書きは「志」か「粗供養」とするのが一般的です。百貨店の高島屋の解説では、岐阜や名古屋では「一周忌志」と書くことが一般的とされています。

家族だけで営んだあとに御仏前やお供えが届いた場合は、後日お返しを贈りましょう。

宗派による違いと一周忌に合わせた納骨

一周忌の考え方は宗派や宗教によって異なり、浄土真宗では仏さまの教えを聞く場とし、神道では「一年祭」として営みます。一周忌に合わせて納骨やお墓の準備をするなら、新しくお墓を建てるのに3か月ほどかかるため、早めに動き出すことが大切です。

浄土真宗では仏さまの教えを聞く場と考える

浄土真宗では、法事を故人のために善い行いを振り向ける場とは考えません。浄土真宗本願寺派の説明では、亡くなった人は阿弥陀仏の救いによって、すでに浄土に生まれて仏となっています。

そのため法事は、参列する一人ひとりが「私のために」仏さまの教えを聞く行事だとされます。真宗大谷派も、法事を「亡き人をご縁に仏さまの教えにふれる大切な場」と位置づけました。

本願寺派の解説では、三回忌までは法事のおかざりのろうそくを白にし、お供えの花や品物も赤い色を避けるとされています。細かな作法は、お付き合いのある寺院に確かめておきましょう。

神道は一年祭、キリスト教は追悼ミサや記念式

神道で一周忌にあたるのは、亡くなって満1年に営む「一年祭」です。神社本庁によると、年祭は満1年、3年、5年、10年、以降10年ごとに行います。一年祭までを神葬祭、それ以降を祖霊祭と呼び分けるのが特徴です。

神道の年祭は満の年数で数えるため、三年祭は満3年になり、仏式の三回忌(満2年)とは1年ずれます。1年を過ぎた年祭に参列するときの表書きは「玉串料」です。

キリスト教では、カトリックは追悼ミサ、プロテスタントは記念式を、亡くなって1年目などの節目に教会で行うのが一般的とされます。時期や形は教会によって異なるため、遺族や教会に確かめておくと安心です。

一周忌に納骨するならお墓の準備は早めに

納骨の時期に法律の決まりはなく、四十九日に納骨する家が多い一方、一周忌に合わせて納骨する家もあります。斎場を運営する東京博善によると、一周忌は親族が多く集まる大きな区切りのため、納骨の時期に選ばれることが多いそうです。

新しくお墓を建てる場合は、完成まで3か月ほどかかるとされます。一周忌に納骨したいなら、命日の半年ほど前には納骨先の検討を始めると余裕を持てるでしょう。納骨には、火葬場で火葬済みの記入を受けた火葬許可証が必要で、一般に埋葬許可証とも呼ばれます。

お墓を継ぐ人がいない場合は、永代供養墓や樹木葬も選択肢になります。ほかの人の遺骨と一緒に納める合祀型は、一度合祀した遺骨は取り出せないため、家族で話し合ってから決めましょう。お墓を建てる時期の考え方はお墓を建てる時期の解説、納骨の流れは納骨式の解説で紹介しています。

まとめ

一周忌は、亡くなって満1年の命日に営む最初の年忌法要で、命日当日か、それより前の休日に営むのが一般的です。参列するなら、香典は関係に応じて3千〜5万円ほどを目安に「御仏前」で包み、服装は案内に従いましょう。施主は2〜3か月前から日程と寺院への依頼を進め、お布施は3万〜5万円とする解説が多く見られます。

まずは案内状の内容を確かめ、迷う点は親族や菩提寺に早めに相談してみてください。一周忌に合わせて納骨先を探すときは、お墓くらべで一般墓や永代供養墓を地域ごとに比べられます。

よくある質問

命日を過ぎてから一周忌を営んでもよいですか
命日より前に営むのが一般的ですが、事情があれば菩提寺に相談して日程を決めましょう。曹洞宗は、命日に都合がつかない場合は命日より前に営むのがよいとしています。命日より後にずらすのは避けたほうがよいとする解説もあるため、早めに日程を固めておくと安心です。
家族だけで営むとき親族にはどう伝えますか
招かない親族にも、家族だけで営むことを伝えておくと行き違いを防げます。事前に知らせるか、終わってから挨拶状で報告するかは、解説によって考え方が分かれるところです。故人と親しかった人には事前に、それ以外の人には後日の挨拶状で、と分ける方法もあります。
一周忌を欠席するとき香典はどうしますか
欠席するときは、香典やお供えを送って気持ちを伝えるとよいでしょう。香典は普通郵便では送れないため、香典袋ごと現金書留で送ります。お供えの品物は法要の3日前までに届くよう手配し、手紙を添えるのが一般的とされています。

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